インサイドセールスのやり方を解説!導入のメリットや流れも紹介

インサイドセールス

昔は顧客のもとに足を運び、直接商品を紹介したり、購入を促したりするのが一般的でした。 “足で稼ぐ営業”が主流だったのです。 

しかし、現在は電話やメール、インターネットが普及し、営業のやり方も変化しています。また、新型コロナウイルスの影響で対面での活動が容易ではなくなりました。

 そこで、インサイドセールスという方法を社内に取り入れて営業を効率化する企業が増えています。しかし、実際にどのようなやり方で実行すればいいのかわからない担当者もいるのではないでしょうか。

 今回は、インサイドセールスの概要や導入メリット、具体的なやり方について解説しますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

 インサイドセールスとは?

『インサイドセールス』とは、電話やメールなどを用いて顧客にアプローチする手法のことです。主に、案件創出や商談化を目的に活動します。見込み顧客とコミュニケーションを取りながらアポイントの獲得を目指します。

 インサイドセールスは、非対面や営業の効率化で近年注目を集めている手法です。平成までは、顧客のもとに足を運ぶ営業が主流でしたが、その行動が難しくなる事態が発生します。それは、新型コロナウイルスの感染拡大です。

 実際に、コロナ禍と言われた2020年5月、緊急事態宣言の延長が各地で発表されました。そのときの『インサイドセールス』の検索需要はそれ以前よりもっとも高くなったのです。

 また、少子高齢化社会である日本においては、労働人口が減少し社員1人あたりに求められる利益率が昔よりも高くなりました。そのため、効率的に働くことが求められるようになったのです。

 このような時代だからこそ、インサイドセールスは多くの企業に注目を集めるようになりました。

 インサイドセールスの業務範囲は、4つのパターンに分類することができます。それぞれのパターンについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。 

リード発掘型

1つ目は、リード発掘型です。 

リード発掘型は、自社商品・サービスに興味のあるリードを増やすことを目的に業務を行います。マーケターから得た潜在顧客に対して電話やメールなどを活用してコンタクトを図るのが一般的です。主に、リードが少ないときに用いられる手法といえます。 

リード育成型

2つ目は、リード育成型です。 

リード育成は、見込み顧客と連絡を取り、商品やサービスに興味を持ってもらえるようにアプローチします。主に、ホットリードに育て上げることが目的です。一般的には、「数多くのリードを獲得しているのに成約につながらない」という企業が採用する手法になります。 

営業クローズ特化型

3つ目は、営業クローズ特化型です。 

営業クローズ特化型は、見込み顧客に対して商品の魅力を紹介し、契約完了まで対応する手法になります。また、顧客と近い関係で今抱える課題や悩みを聞き、信頼関係を構築する活動も含まれます。 

営業クローズ特化型の業務範囲はそれぞれの企業で異なるのが一般的です。例えば、大企業は人員に余裕があるため、信頼関係構築までをフィールドセールスが担当することが多いでしょう。一方、中小企業など人員を多く割り当てることが難しいところでは、商談まで対応するケースも珍しくありません。 

訪問営業協業型

4つ目は、訪問営業協業型です。 

訪問営業協業型は、フィールドセールスと協力しながら見込み顧客に対してヒアリングや商談の獲得を目指します。 

フィールドセールスとは、直接顧客まで足を運び商品やサービスの提案を行う営業手法のことです。基本的にインサイドセールスとは、対照的な手法に捉えられます。 

しかし、訪問営業協業型はナーチャリングと商談アポ獲得をインサイドセールス、商談とクロージングをフィールドセールスに業務分担するのです。これにより、お互いが特定の業務に力を注ぎやすくなるため、営業活動の効率化などメリットを獲得することができます。 

インサイドセールスのメリット

インサイドセールスを営業フローに採用するメリットは大まかにわけて2つあります。採用を検討している担当者はどのようなメリットがあるのかぜひチェックしてください。 

リードの取りこぼしを抑えられる

1つ目のメリットは、リードの取りこぼしを抑制できることです。 

インサイドセールスの採用にMAツールの導入を検討している方も少なくないでしょう。MAツールには顧客に対して見込み度合いを点数で評価する機能があります。例えば、自社セミナーに参加した人は20点、資料をダウンロードした顧客は10点というように評価することが可能です。 

このスコアリングをもとに適切なアプローチを取るので、簡単に逃してしまうリスクを減らすことができます。また、成長段階に合わせて顧客が欲しい情報を提供することができるため、信頼を獲得しやすいこともメリットです。 

営業業務の効率が上がる

2つ目のメリットは、営業業務の効率化です。 

インサイドセールスは、リードの獲得や育成を行い、ニーズが顕在化した段階でフィールドセールスに渡し商談につなげます。そのため、見込み度合いに関わらず顧客に訪問する飛び込み営業よりも圧倒的に効率的です。 

また、営業訪問協業型の場合、フィールドセールスは商談に集中することができるので、成約率を大幅に高めることができます。同時に、訪問に必要な時間やコストの削減なども期待できるため、営業マンの負担軽減にもつなげられるでしょう。 

さらに、アプローチの数が桁違いです。電話やメールで顧客に接触することができるため、1日100件以上の潜在顧客にアプローチすることができます。営業マンが足で稼ぎ、顧客を獲得しようとした場合、数十件程度が限界になるため、その点からも効率が良いことがわかるでしょう。 

 ※関連記事:インサイドセールス5つのメリットとは?

インサイドセールスのやり方

インサイドセールスのやり方は下記の手順がおすすめです。 

  1. KPI・KGIを正しく設定
  2. シナリオを設計しフローを明確化
  3. 適切なツールの導入
  4. 運用
  5. 改善策を策定

 それぞれのやり方について詳しく解説します。 

KPI・KGIの設定

はじめに、KPI・KGIを設定することです。 

KPIは、Key Performance Indicatorの略称で、目標を達成する上で必要なプロセスが適切に実行されているかを示す重要業績評価指標を意味します。アポイント件数や成約率などが代表的な例です。 

一方、KGIはビジネスの目標を評価するための指標を意味し、重要目標達成指標ともいわれます。「年間の営業利益を100億円達成する」という目標がKGIの代表例です。 

基本的に両者を設定することで、目標が明確になります。そのため、インサイドセールスにおいても非常に重要な工程の一部です。 

インサイドセールで頻繁に挙げられるKPIには下記のようなものがあります。

 

KPI項目 内容
商談化数 案件を創出することができた数
受注件数 実際に受注することができた件数
架電数 電話をかけた数
平均通話時間 通話時間の平均
メール開封率 メールを開封した人の割合

 また、KGIはインサイドセールスの場合、“売上げアップ”や“売上拡大”などを設定するケースが多いです。しかし、それぞれの企業でKGI設定が異なることもあるため、適切なものを設定するようにしましょう。 

シナリオ設計

次はシナリオ設計です。 

シナリオ設計では、下記のような内容を具体的に決めます。 

  • リードに提供する情報の内容や手段
  • 情報を提供するタイミング

例えば、Webサイトで商品の魅力を配信し、無料トライアルを申し込みした顧客に期間終了のタイミングでキャンペーン情報をメールで配信するというようなフローを設計しましょう。 

そうすることで、リード獲得や育成までの流れを明確にイメージすることができます。また、情報を提供するタイミングを誤る可能性を下げられるので、インサイドセールスを効率的に進められるでしょう。 

シナリオ設計のコツは、リードの温度感に合わせて提供する情報を変えることです。例えば、温度感が低い状態のリードには、導入事例やセミナー情報を配信し、温度が上昇したタイミングで無料トライアルプランの利用を進めるというように、温度感で段階的にハードルを上げていくようにしましょう。 

ツールの導入

シナリオ設計が完成したら次はツールを導入します。一般的にインサイドセールスでは下記のツールを使用することが多いです。 

  • MAツール
  • SFAツール
  • CRMツール

 MAツールはマーケティングオートメーションツールのことで、マーケティングの業務効率を支援するシステムです。例えば、リード管理やスコアリング、ナーチャリングなどの機能が搭載されているため、インサイドセールスを行う上で必須のツールといえます。 

SFAツールは、営業支援システムのことで、営業活動の見える化を実現できるツールです。案件ごとの進捗の見える化や営業活動の報告機能などがあります。 

CRMは顧客管理システムのことで、顧客管理を一元化できるツールです。例えば、顧客の要望や販売実績などを見える化できるため、情報提供のタイミングを見極めるときなどに活用できます。 

一般的に、インサイドセールスはこの3つのツールが活用されますが、それに加えてWeb会議ツールを導入する企業も少なくありません。離れた場所から商品を紹介することができたり、商談に対応できたりするので大きなメリットがあります。どのようなツールを導入するかの判断はそれぞれの企業で異なりますので、自社に合ったものを慎重に選択するのがおすすめです。 

運用

ツールの導入を終えたら、顧客にメールや電話で接触して、リードを増やす活動を実行します。闇雲に取り組むのではなく、KPIなどを確認し順調に運用できているかどうか確認するようにしましょう。 

改善策の策定

ある程度の運用期間を経たら改善策の策定を行います。 

例えば、商談化や受注件数などのKPIを確認し、目標を達成できていないものは原因を突き止めます。そして、提供する情報やタイミングを変更するなど、改善策を練りましょう。 

インサイドセールスの手法は日々進化しているため、新しい情報や成功事例を日頃から集めるのがおすすめです。その中で自社に適したものがあれば、改善策に取り入れてみるのもひとつの方法になります。 

インサイドセールスやり方のまとめ

今回は、インサイドセールスの概要や導入メリット、具体的なやり方をご紹介しました。インサイドセールスを実行するためには、シナリオ設計とKPI設定が非常に重要です。また、効率化を図るためにMAツールなどを導入するようにしましょう。 

実行後は定期的にKPIをもとに成果を確認することが重要です。そして、必要であれば改善策を策定し、さらに効率的にリードを獲得できる営業体制を構築してください。

 

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